堕天使系兄の攻略方法。




う……。

それを言われてしまったら私が一番断ってはいけなくなってしまう。


それでも一緒に寝ると、キスをしてしまったことを思い出す。



「エアコン付ければいいじゃんっ」


「節約。だってこの部屋エアコン付けなくてこの涼しさだよ?活用しなきゃ勿体ないじゃん」



本当は毎日毎日平気なふりしてるけれど、いっぱいいっぱいなのに。

それがバレてしまえば今までの努力が水の泡というやつだ。



「それ次の日ぜったい背中痛いだろうね」


「…じゃあお兄ちゃんが床で寝てよ」


「それは嫌だ」



ここ私の部屋なのに。

どうしてその主人である私が床で、あなたはふかふかベッドなのか。


あぁそうか。

私は彼の下僕だからです。



「柚、ほら来なって」


「…意外と床の方がひんやりしてて気持ちいいよ」


「来ないならちゅーするよ。お前がまだ知らないくらいすごいの」



思わずスッと立ち上がれば、すぐに腕は掴まれた。



「わっ…!」



ぐいっと引かれて、その腕の中に納まってしまう。


夏なのに。

余計に暑くなる…。



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