堕天使系兄の攻略方法。




「…お兄ちゃん、暑い」


「そう?ここかなり風通し良いけど」



確かに窓からの夜風がダイレクトに当たってくれる。

クーラーと同じくらい涼しい。


お腹にブランケットでもかけていないと冷えてしまうんじゃないかってくらい。



「心臓はや」


「っ…、そんなことないよ、」


「そっかー。なら分からせてあげないとね」



顎に手が当てられて、くいっと上を向かされた。

暗闇の中でも分かる瞳からはやっぱり逸らせそうにない。



「っ、」



逸らせそうにないけど逸らさなきゃ。

ぎこちなくぷいっと逸らした私。



「…反抗期?」


「うぁ…っ!」



唇じゃなかった。

首筋に落ちてきた柔らかさは、途端に微かな痛みを追加させてくる。


また蚊に刺されたって嘘を言わなくちゃいけなくなっちゃう…。

それは夏限定だからこそ今だけだ。



「もっと可愛い反応は出来ないの柚。…それか俺の力不足?」


「…ゃ…っ…」


「そうそう。…もっと聞かせて」



やっぱり悪魔だ。

こうして遊んでからかっているのだ。



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