堕天使系兄の攻略方法。
episode.3
決断は突然に
あれから特に代わり映えの無い日々は続いていた。
兄妹でいると決めた私は、淡い気持ちを心の奥にしまいこんで。
ごく普通に、今まで通り羽柴 湊の妹として生きていた。
「柚、スカートが短い。それ校則違反」
「こんなのみんなしてるよっ!もっと短い先輩たくさんいるよ!?」
「は?口答え?俺は生徒会長でお前のお兄ちゃんだよ?」
倍になった権力を使ってくる男にあっかんべーをして、校舎を全速力。
羽柴 湊にあんな顔をさせられるのは真崎
柚だけだと、毎日のように羨ましがれるけれど。
それでも私は兄妹じゃない周りが羨ましいってのに。
このどうしようもない気持ちなんか早く空へ消えてしまえっ!
「柚、また呼び出し食らったって本当?」
「あれを呼び出しって言うのかわからないけど…」
そんな私には最近、新たな日課が増えていた。