堕天使系兄の攻略方法。
こんなときにそう言って来るなんてズルい。
そんなこと言われたら俺は家族として妹のお前を行かせるしかなくなる。
本当はどんどん知らない柚になっていってしまうみたいで嫌だった。
柚を離したくない気持ちは妹だとか家族だとか、そんなんじゃない。
「ごめんお兄ちゃんっ」
俺の手から逃れると、階段をかけ降りて玄関を飛び出していった。
だから俺も続くように追いかけた。
「父さん母さん、先に食べてて。俺ちょっとあいつとコンビニ行ってくる」
「どうしたんだ2人して!コンビニに向かう熱量じゃないだろう!」
「欲しいアイスがあってさ、数量限定だからここまでしないとゲット出来ないんだよね」
そのまま俺も玄関を出て。
必死に走るそいつを追いかけて、その目から空気に放たれる涙から目が離せなくて。
なんで泣いてんのお前。
それはなんの涙なんだよ。
「俺はここで待ってるから行ってきなよ、」
「はっ…はぁっ、…うん、」
入り口前のベンチに腰かける。
かなり走ったから飲み物でも買っといてやろうかと、自動販売機でスポーツドリンクを購入した。