堕天使系兄の攻略方法。
「ふうん?そんなに好きなんだ?」
「えっ!?」
そのテーブルばかり無意識に拭いて、彼が座っていた椅子をじっと見つめてしまっていたらしい私。
平日の月曜日ということもあって今日はお客さんはあまり来なかった。
既に椅子に座って賄いを食べようとしている廣瀬さんは、私をからかうように見つめた。
この感じはデジャヴを感じるけれど、この人は羽川さんとはどこか違った。
「いやー青春だねぇ。さっきの子も真崎ちゃんのこと好きそうだったから頑張って」
「そ、それはないですっ!絶対にないですっ!」
「なんで?」
「いつもからかってるだけなんです、私の反応見て面白がってるだけで…」
まだバイト終了時間まで20分も時間が余ってる。
上がっていいと言われていたが、どうせ駅でお母さんを待つだけだから。
温かい室内に居たい感もあった。