堕天使系兄の攻略方法。
そんなことより、手提げ袋3つ分になった大量のチョコレートを渡すという使命が私にはあるわけで。
…これどうやって食べきるの。
私も一緒に手伝ってあげよう。
「…毎年こんな感じだったのかな」
こんなにも彼を想う女の子達が居るらしい。
きっとみんな試行錯誤して工夫して、一生懸命作ったに違いない。
ラッピング袋から覗く手作りチョコは手作りと思えないくらいにレベルが高いものばかりだ。
「…やっぱり渡すのやめようかな」
デコレーションなんか悪魔のメッセージみたいになっちゃったし。
気持ちが一番とお母さんは言ってたけど、やっぱり見た目も大事だと思う…。
私が男だったら、あれは自分に恨みでもあるのかと思ってしまいそうだ。
「ええい!妹として渡すんだから気にしなくていーのっ!どうせ義理なんだから!」
いつも通り、「お兄ちゃんお風呂沸いたよー」って知らせるみたいに。
サッとチョコを差し出して。
「はいこれ、いつもお世話になってるお礼に!たまたまバレンタインデーと重なったから私が作ってあげた!
わざわざっ!感謝したまえ!」