堕天使系兄の攻略方法。
「マルの方が圧倒的に多い…!感動っ!すごいっ!!」
ありがとうお兄ちゃんっ!!!と、全地球上に叫びたくなった。
これも全て悪魔のような兄のおかげだった。
あの日だけではなく、それからほぼ毎日空いている時間があれば私の勉強に付き合ってくれて。
「この対策ノート…!すごいよ!もはや家宝だよっ!!」
びっしりと書かれた分厚いノートは少し古びていて、彼が中学生のときからコツコツと書き進めていたものらしい。
こういう毎日の積み重ねがあのスペックを作ったんだろうなぁ…。
さすがにこれはお礼をしなくちゃいけない。
「うーん…でも何が好きなんだろう」
好きな食べ物とか今欲しいものとか、ハマってることとか。
何ひとつ知らなかった。
適当に買っていくわけにはいかないしなぁ…。
「とりあえずまずは聞き込み調査からだっ」
駆け足で帰宅した。
受験生の為、部活動や委員会活動は毎日では無いから少しだけ帰宅の早い3年生。
コンコンと隣の部屋をノック。
「なに?柚」
どーして私だって分かっちゃうのかなぁ…。
って、2階には私達の部屋が並んでいて、トイレと滅多に人が入らない物置部屋があるだけだから当たり前か。