堕天使系兄の攻略方法。
この男は隣クラスの橋本 恭平(はしもと きょうへい)。
中学のとき3年間同じクラスだった男の子。
「バレーすごかったじゃん!真崎って中学の体育祭でも全然活躍出来てなかったからびっくりしたわ!」
「う、うるさいなっ!私だって高校デビューってやつ?したんですよーだっ」
ドヤ顔でふんっと鼻を鳴らせば、「お前は相変わらずだなー」と返ってくる。
そう、相変わらずだ。
恭平君も全然変わってない。
高校に入ってこうして話したのは入学式以来だった。
「真崎、彼氏とか出来た?」
「…で、出来てないけど…」
「実は俺さ、彼女出来たんだ」
どうしてわざわざ私にご報告を…なんて思ったが。
なにを隠そう、この男は私の初恋の人であり、私に玉砕という言葉を一瞬にして教えてくれた人だった。
「真崎にはちゃんと伝えたいと思って」
「…そう、なんだ。あははっ、おっめでとう恭平君!私はまだまだこんなんだから全然出来ないの!」
「ははっ、そうだよな!お前が変わってなくて良かったよ!」
それはいつだったか、中学2年生の終わり頃だったか。
私なりにその日は髪の毛も可愛くして、リップまで付けて遥に背中を押されて、初めての告白をした。