堕天使系兄の攻略方法。
堕天使の本当の顔
湊side
今日は7月10日、去年までは何の変哲もない初夏の1日だったけど。
今年からは違う。
正直この日は、この日だけはあいつに少しでも優しくしてやろうと思っていた。
「遅い」
「授業がっ、長引いちゃって…!!」
「なにそれ言い訳?それって車に轢かれそうな妊婦さん助けてましたってレベルと同じだから」
息を切らしてるそいつは俺にいつものセットを差し出して、「…ごめん」と呟いて誰にも見つからないように生徒会室を出ようとする。
だから俺はそんな腕を掴んだ。
「えっ、どこ行くのっ!誰かに見つかったら…!」
「だから見つからない場所に行くんだろ」
生徒会室は3階校舎の一番端にあって、その近くには生徒立ち入り禁止の屋上がある。
だからそこなら平気だろうと、俺はそいつの腕を引いて向かった。
どうにも最近イライラして仕方ない。
何に対しても腹が立つ。
まぁ一番はこいつに腹が立つんだけど。
「はい、あげる」
「……え、」
それでも今日はお前の誕生日だよ?
俺だってずっとこの日何かしてあげられないか考えてたってのに。
嘘でも『彼氏出来た』とかさ、あんなのお兄ちゃんにだけは絶対言ってはいけない妹の台詞ナンバーワンだ。
今日は7月10日、去年までは何の変哲もない初夏の1日だったけど。
今年からは違う。
正直この日は、この日だけはあいつに少しでも優しくしてやろうと思っていた。
「遅い」
「授業がっ、長引いちゃって…!!」
「なにそれ言い訳?それって車に轢かれそうな妊婦さん助けてましたってレベルと同じだから」
息を切らしてるそいつは俺にいつものセットを差し出して、「…ごめん」と呟いて誰にも見つからないように生徒会室を出ようとする。
だから俺はそんな腕を掴んだ。
「えっ、どこ行くのっ!誰かに見つかったら…!」
「だから見つからない場所に行くんだろ」
生徒会室は3階校舎の一番端にあって、その近くには生徒立ち入り禁止の屋上がある。
だからそこなら平気だろうと、俺はそいつの腕を引いて向かった。
どうにも最近イライラして仕方ない。
何に対しても腹が立つ。
まぁ一番はこいつに腹が立つんだけど。
「はい、あげる」
「……え、」
それでも今日はお前の誕生日だよ?
俺だってずっとこの日何かしてあげられないか考えてたってのに。
嘘でも『彼氏出来た』とかさ、あんなのお兄ちゃんにだけは絶対言ってはいけない妹の台詞ナンバーワンだ。