堕天使系兄の攻略方法。




私が反応するよりも先に、背中を支える腕に力が加えられた。

まるでそれは「逃がさないよ」と言われてるみたいだ。



「か、可愛いって…どうせマスコット的なものだって知ってるしっ」


「…そう思う?」


「えっ、ちょっ…」



なんで顔が迫って来てるの…!?

いつもの兄じゃない顔だ。
こんなの初めて見る…。



「お、お兄ちゃんっ」



どんどん迫って来てる…っ!

何度「お兄ちゃん」と言っても聞こえていないのか、なにか理性のようなものを失ってしまったのか。


その端正な顔立ちはどんどん近付く。



「やっ…」



ぷいっと顔を逸らしても、グイッと戻されてしまう。

カチカチと鳴る時計の音がこんなにも大きく聞こえるなんて。


それくらい静かで、本当に私達しか居ないのだと実感させられる。



「っ…」


「───、」



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