堕天使系兄の攻略方法。
「…生徒会長なのに早退しちゃって大丈夫かな…?」
「まぁ、1日くらいは。日々の俺の行いが教師達の信頼を得てるから」
相変わらずな兄に笑いがこぼれる。
……でも、一番の心配はそこじゃない。
すぐに顔を青白くさせた私は近々起こるであろう未来の想像に恐怖が涌き出てくる。
「た、退学ですか…」
「バラしたの俺だし。…でも明日から大変だろうね、俺もお前も」
「兄妹じゃなくても、親戚とか…!それならそこまで話題にならないと思うし…!」
一緒に住んでいるなんて知られたらどうなるか分からない。
血の繋がらない兄が実は羽柴 湊でしたー、なんて。
それに先程からとてつもない回数の着信があるのか、バッグの中から震えた音が聞こえる。
マナーモードでもここまで主張が激しいとは。
……きっと遥で間違いない。
「…いいよ兄妹で」
「でもそれだと色々と問題が…」
「じゃあ彼氏彼女ってことにしとく?」
するとゆっくり身体は離れた。
フリーズする私をじっと見つめてくる整った顔。