覚醒者3号-最終調査報告-
道路の真ん中にぽっかりと開いた真円の穴。

中は真っ暗でよく見えない。

悪臭が、ここまで漂ってきた。

「いくぞ」

まず哲平さんが、梯子を使って下へと降りていく。

「髪の毛に臭い染み付いちゃいそうね…」

次に黛さん。

「……」

私も後に続いた。

…3メートルほどの梯子を降りると、そこには地下の世界が続いていた。

トンネル状の通路。

中央には下水が流れていて、その両サイドには人が歩ける程度の通路らしきものが備えられている。

「ひっどい臭い…」

黛さんが鼻をつまんだ。

中は暗くて、様子がわからない。

「待ってろ、灯りをつける」

哲平さんが指先に炎を灯すと。

「っ…きゃあぁぁあぁあぁぁあっ!!?」

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