覚醒者3号-最終調査報告-
奥に進むに連れて、地下通路の造りは良くなっていく。

コンクリートの老朽化も少なくなり、5メートルほどある高い天井には、非常灯程度の明るさの照明までもが見られるようになった。

何かの作業用通路として造られたにしては、造りが良すぎる気がする。

『作業の為に通れればとりあえずOK』という造りではなく、『通行しやすさを目的とした通路』。

つまり、どこか目的地へ到達する為の通路という訳だ。

ますます、この通路の造られた目的が怪しさを増す。

ここが機関本部へと通じる通路というのも、信憑性を増してきたような気がした。

…と、その時。

「…っ!!」

突然。

まさに突然、私の脳裏にビジョンがよぎった。

危険が迫った時に、何の前触れもなく私の頭に飛び込んでくる警告。

私の能力の一つ、『予知』。

私は。

「隠れて!」

声の限りに叫んだ!









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