覚醒者3号-最終調査報告-

哲平

矢崎と、その部下の特殊部隊の連中を指差す。

その指先から。

「!?」

小さな火球が、まるで機関銃の如く連射された!

炎は、俺のイメージ一つでどのようにでもその威力、形状を変える。

その気になれば、この地下通路全てを炎で埋め尽くす事だって可能だ。

この程度の芸当は造作もない事だった。

もっとも、あまりに強力な炎を使えば精神力を著しく消耗してしまう訳だが、ただの兵士相手にそこまでの力を使う必要もないだろう。

事実。

「う…ぐぅ…」

「いぎっ…あつっ…熱い…!」

火球をくらった兵士達が、その場に這いつくばって口々にうめいていた。

…その中に、矢崎の姿はない。

部下を見捨てて、盾にして、真っ先に壁際に隠れたらしい。

「薄情な事だな。人間の命を顧みない、機関の幹部らしい行動だ」

「生意気な口きくんじゃねぇ、化け物風情が!」

物陰から矢崎の声が聞こえた。

「チャーリーチーム、プランBだ!…『あれ』を出せ!」

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