覚醒者3号-最終調査報告-
ななみ
私と黛さんは見ていた。
哲平さんが回避した筈の10本のナイフ。
そのうちの1本が、空中で突然静止。
向きを変え、哲平さんの背中目掛けて飛んでいき、彼に突き刺さったのだ。
…空中を飛翔するナイフが、途中で止まって向きを変え、再度襲い掛かる。
不自然極まりない動き。
だけど、そんな不自然な動きを可能にする者を、私達は一人知っている。
「覚醒者…1号」
哲平さんが呟く。
そう。
機関による初の実用化に成功した、戦闘特化型覚醒者、1号。
彼女の持っていたテレキネシス…念動力ならば、そういう有り得ない動きも可能だった。
しかし。
「…1号は…廃棄場で…死んだ筈」
私は呟いた。
確かに見た。
死闘の末、哲平さんの炎によって敗北を喫した1号の姿を、私は確かに見たのだ。
哲平さんが回避した筈の10本のナイフ。
そのうちの1本が、空中で突然静止。
向きを変え、哲平さんの背中目掛けて飛んでいき、彼に突き刺さったのだ。
…空中を飛翔するナイフが、途中で止まって向きを変え、再度襲い掛かる。
不自然極まりない動き。
だけど、そんな不自然な動きを可能にする者を、私達は一人知っている。
「覚醒者…1号」
哲平さんが呟く。
そう。
機関による初の実用化に成功した、戦闘特化型覚醒者、1号。
彼女の持っていたテレキネシス…念動力ならば、そういう有り得ない動きも可能だった。
しかし。
「…1号は…廃棄場で…死んだ筈」
私は呟いた。
確かに見た。
死闘の末、哲平さんの炎によって敗北を喫した1号の姿を、私は確かに見たのだ。