覚醒者3号-最終調査報告-
私は黛さんの顔を見た。

あれが本部なら。

あれが機関の本拠地というのなら。

機関とは…機関という組織は。

私がその思考の先を口に出そうとしたその時。

「!?」

複数の軍靴の音。

私達は。

「動くな!」

20名近い特殊部隊の兵士達によって包囲されていた。

「覚醒者2号・黛まどか、覚醒者4号・素体773号だな?」

「…その名で呼ばないで」

私は表情を浮かべぬ、冷酷な眼差しで兵士達を睨む。

その視線に。

「う…」

年端もいかない少女の私に、屈強な特殊部隊兵士達が圧倒されていた。

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