覚醒者3号-最終調査報告-
ななみ
大江幸次郎。
現職の内閣総理大臣。
庶民の目線に立った政策を次々と打ち出し、『初めて国民の立場を理解した政治家』として戦後最高の支持率を得た男。
外交においても大国と対等に渡り合い、諸外国からの評判もいい。
まさに非の打ち所のないこの国の長。
それが彼の表向きの評価なのだそうだ。
…その男が今、目の前で耳障りな咀嚼音を立て、食事をしている。
私達は拘束こそ解放されたものの、周囲をグルリとライフルを手にした兵士達に囲まれ、大江と同じ席に座らされていた。
「どうした…食べないのかね?」
ナプキンで口を拭いながら大江が言う。
「サミットの晩餐会でしか出される事のない最高級のフルコースだ…金があったからとて、なかなか食べられる料理じゃない」
現職の内閣総理大臣。
庶民の目線に立った政策を次々と打ち出し、『初めて国民の立場を理解した政治家』として戦後最高の支持率を得た男。
外交においても大国と対等に渡り合い、諸外国からの評判もいい。
まさに非の打ち所のないこの国の長。
それが彼の表向きの評価なのだそうだ。
…その男が今、目の前で耳障りな咀嚼音を立て、食事をしている。
私達は拘束こそ解放されたものの、周囲をグルリとライフルを手にした兵士達に囲まれ、大江と同じ席に座らされていた。
「どうした…食べないのかね?」
ナプキンで口を拭いながら大江が言う。
「サミットの晩餐会でしか出される事のない最高級のフルコースだ…金があったからとて、なかなか食べられる料理じゃない」