覚醒者3号-最終調査報告-
小山田君は、炎の中で狼狽する大江を見る。
「ついにこの時がきた」
その言葉に、憎悪も怒気もなかった。
あれほど機関を壊滅させる事を望み、復讐の念に駆られていた小山田君が、意外なほど冷静に大江を見据えていた。
「なぜ理解できんのだこの馬鹿者が!」
髪を振り乱し、額に汗を浮かべ。
大江は怒鳴り散らす。
「覚醒者計画さえ軌道に乗れば、この国は世界を牛耳る事ができるのだ!どんな兵器を保有する国々よりも!たとえ超大国さえも!世界が全て我々の国にひれ伏すのだぞ!?」
「大層な事ほざいちゃいるが…要は世界征服だろう?」
さめた口調で。
小山田君の右手がユラリと動いた。
その掌に、赤よりも高熱の白い炎が発生する。
「流行らないんだ…今時そういうのは」
そして。
恐らくは『熱い』と感じる間もなく。
大江は白い炎によって消し飛ばされた。
同時に広がる熱波。
室内は地獄の業火に包まれ、最早生物の存在できる世界ではなくなる。
私やななみちゃんですら、もう生存限界を超えるほどの空間。
そんな中で唯一人、小山田君だけが平然と立ち尽くす。
「さぁ…脱出しよう…もうここには用がない」
「ついにこの時がきた」
その言葉に、憎悪も怒気もなかった。
あれほど機関を壊滅させる事を望み、復讐の念に駆られていた小山田君が、意外なほど冷静に大江を見据えていた。
「なぜ理解できんのだこの馬鹿者が!」
髪を振り乱し、額に汗を浮かべ。
大江は怒鳴り散らす。
「覚醒者計画さえ軌道に乗れば、この国は世界を牛耳る事ができるのだ!どんな兵器を保有する国々よりも!たとえ超大国さえも!世界が全て我々の国にひれ伏すのだぞ!?」
「大層な事ほざいちゃいるが…要は世界征服だろう?」
さめた口調で。
小山田君の右手がユラリと動いた。
その掌に、赤よりも高熱の白い炎が発生する。
「流行らないんだ…今時そういうのは」
そして。
恐らくは『熱い』と感じる間もなく。
大江は白い炎によって消し飛ばされた。
同時に広がる熱波。
室内は地獄の業火に包まれ、最早生物の存在できる世界ではなくなる。
私やななみちゃんですら、もう生存限界を超えるほどの空間。
そんな中で唯一人、小山田君だけが平然と立ち尽くす。
「さぁ…脱出しよう…もうここには用がない」