【新説】犬鳴村
一人の若い警察官が来ると
「昨日の朝…どっかのトンネルの近くで車が放置されとったとがあったろう?」
とまた面倒臭そうに(あご)指図(さしず)をするような話しぶりだった。


「あーっ…白のマークXっすね。それが?」
とどこか何でもないことのような軽い口ぶりで答える。


    ーー白のマークX?


「そ、それ…ナンバーは9103?」
と女性は若い警官に詰め寄る。

「あー確かそんな感じ。」
「感じ!??」
「あ、いえ、そうです。9103でした。」

と詰め寄る女性の迫力(はくりょく)圧倒(あっとう)され腰が引けていた。

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