もふもふになっちゃった私ののんびり生活
プロローグ
プロローグ

 毎日毎日、起きると会社。仕事から帰ると倒れるように寝て……。休日出勤は当たり前で、丸一日休めるのは月に三日あればいい方で。

 疲れたな……。私、なんで働いているんだろう……。

 大幅にカットされた残業代でも、ギリギリ限度額の残業代は八年も積もればそれなりの貯蓄にはなった。でも、その貴重な休日には外出する気力もなく、ただ洗濯して寝るばかりだ。
 趣味の時間なんて全くとれないし、大学卒業後にほとんど連絡も取る時間も無かったから、メールをする友人もいない。

「うわっ……。本当になんで私、こんなに必死で働いているんだろう。家族も付き合いのある親戚だっていないのに」

 私は一人っ子で両親は私が就職した夏、二人で旅行に出掛けてそのまま事故に遭い、帰っては来なかった。
 両親はどちらも田舎から東京へ働きに出て、そのまま結婚したから元々田舎の親戚とは付き合いはほとんどなく疎遠なままだ。

 あれ?私、養う家族もいないし結婚する予定もさっぱりないんだから、毎日自分一人のご飯が食べられたらそれで良くない?

 何度も会社を辞めようとは思ったことはあったが、辞表を書いて出す隙もない程仕事漬けだったのだ。

 でも、もうこんな生活は限界だよね……。気づいたら私ももう三十になっちゃったし。

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