もふもふになっちゃった私ののんびり生活
8 もふもふ少女、将来と向き合う

 流行の初動に薬が十分にあったのが良かったのか、街の木枯らし病の流行は半月もすると大分下火になっていた。
 今は薬草を採取する討伐ギルド員も増えて薬草が十分に供給され、今回はほとんど死者は出ていないそうだ。

 結局私も、ヴィクトルさんに甘えて手伝って貰いながら街の行き帰りに採取を続けているが、もうセフィーに群生地を聞いていないので最初のような量を持ち込むことは無いし、あれから木枯らし病の対応が薬師ギルドで一本化されたことから誰にも追及されていない。

 矢面にはおばあさんとヴィクトルさんが立ち、過保護なまでに守られていたことを自覚して、あれから意識して二人に甘えるようになった。


 心配していたアイリちゃんや他の友人達も、これまでは咳が出る程度で済んでいる。ただある程度収束した、とは言っても警戒は続いていて人通りは少ないままだ。

「ねえ、ルリィちゃん。そろそろひと段落ついたんでしょう?」
「うん。おばあさんはまだ薬師ギルドへ呼び出されるけど、毎日じゃなくなったよ。ただ、風邪をひいて咳止めとか解熱剤を買いに来る人は多いかな」

 季節がら風邪をひく人も多いが、用心して薬を買いに来ているのだ。

「そっかー。家の宿も、街に入って来る人がまだほとんどいないから宿泊客が少なくて、今は手伝いが少ないんだ。ねえ、ルリィちゃん。次に街の外の草原に薬草を採りに行く時は、一緒に行ってもいい?」
「勿論だよ!じゃあ、明日でも行かない?咳止めの薬に使う薬草は門を出た草原で採れるんだけど、まだ咳止めはたくさん売れるから、丁度採りに行こうか迷っていたの」
「わあ!じゃあ、お母さんに聞いてみるね!お弁当も持って行って、外でお昼を食べない?」
「いいね!そうしようか!」

 こうしてアイリちゃんと笑い合って会話できることが、とても嬉しくてその場で明日の予定を決めてしまった。

「じゃあ、また明日ね!」
「うん!楽しみだね!」

 木枯らし病が下火になったこともあって、久しぶりのアイリちゃんとの約束に心が弾み、おばあさんとヴィクトルさんに明日のお願いをした。

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