もふもふになっちゃった私ののんびり生活
5 もふもふ少女、番だと言われる
「ヒッ!」
掴まれた腕を引かれて振り返ると、目の前には大きな身体が。恐る恐る見上げると、首が痛くなる程上に、燃えるような赤い髪があった。
「やっぱり、そうだ。この匂いは……間違いない。君は俺の番だ!やっと見つけたっ!!」
見上げていた赤が降りて来て、顔が判別できると同時に抱き寄せられそうになり、悲鳴を上げる。
「きゃあっ!やっ、離してっ!!あっ、あなたは誰っ!私、あなたのことなんて、知らないっ!!」
必死になって掴まれた手ごと両手を振り回しながら暴れる。
「おっ、おい、俺は番だ!だから落ち着いてくれっ!」
「番なんて私、知らないっ!私は今から家に帰るの。離してっ!!」
このまま捕まったらまずい、と訴える本能に従って悲鳴を上げながら暴れる。
すると、この騒ぎに気づいたのか、門から警備の兵士たちが集まって来た。
「おいっ!何をしているっ!こんな場所で誘拐かっ!」
「いや、この子はずっと探していた俺の番なんだ!誘拐なんかする筈ないだろう!」
「あなたのことなんて知らないっ!いいから離してっ!!」
両肩を掴まれそうになり、手が腕から離れた一瞬の隙をついてしゃがんで手をかわすと、そのまま転がるように門へと走り出した。
「あっ、待ってくれ!俺は君に危害も加るつもりは全くないんだ。話をさせてくれっ!」
「私は話すことなんてありませんからっ!あっ、門番さん、外、出てもいいですかっ?」
背中で兵士に止められている声を聞きながら、この騒ぎで人がいなくなっていた門へと走り、そのままの勢いで街の外へと走り出した。
何、あれ。何なの、あの人っ!なんで私のこと、番なんて……っ!
頭が混乱して思考が纏まらない中、とりあえずセフィーの元へ、家へ帰らなきゃ、という想いで道を離れ、草むらの中へと飛び込む。
追って来る気配はなかったが急がなきゃ!という気持ちに急き立てられるまま走り、草原の中にぽつんと生えていた木の陰へ隠れると、周囲に人の気配がないことを確認してすぐに結界を張った。
そして急いで脱いだ服を入れたカバンを背中に掛け、獣姿に変化する。そして少しだけ呼吸を整えると周囲の気配を探ってから結界を消し、そのまま気配を消して草の上を飛ぶように駆けて森を目指した。
ううう。誰かに見られたら、どうしよう。でも、目が赤くないし、問答無用で襲撃されることはないよね。
無我夢中で低空を駆けると、森が見えて来るまでそれ程時間はかからなかった。
森から出て来る人の気配を感じ、大回りして森の中へと駆け込み、そのまま人の痕跡を追うように森の奥へ向かった。
そろそろ周囲に全く人の気配を感じなくなった頃、魔物の気配を感じたので結界を張ってやり過ごすことにした。
掴まれた腕を引かれて振り返ると、目の前には大きな身体が。恐る恐る見上げると、首が痛くなる程上に、燃えるような赤い髪があった。
「やっぱり、そうだ。この匂いは……間違いない。君は俺の番だ!やっと見つけたっ!!」
見上げていた赤が降りて来て、顔が判別できると同時に抱き寄せられそうになり、悲鳴を上げる。
「きゃあっ!やっ、離してっ!!あっ、あなたは誰っ!私、あなたのことなんて、知らないっ!!」
必死になって掴まれた手ごと両手を振り回しながら暴れる。
「おっ、おい、俺は番だ!だから落ち着いてくれっ!」
「番なんて私、知らないっ!私は今から家に帰るの。離してっ!!」
このまま捕まったらまずい、と訴える本能に従って悲鳴を上げながら暴れる。
すると、この騒ぎに気づいたのか、門から警備の兵士たちが集まって来た。
「おいっ!何をしているっ!こんな場所で誘拐かっ!」
「いや、この子はずっと探していた俺の番なんだ!誘拐なんかする筈ないだろう!」
「あなたのことなんて知らないっ!いいから離してっ!!」
両肩を掴まれそうになり、手が腕から離れた一瞬の隙をついてしゃがんで手をかわすと、そのまま転がるように門へと走り出した。
「あっ、待ってくれ!俺は君に危害も加るつもりは全くないんだ。話をさせてくれっ!」
「私は話すことなんてありませんからっ!あっ、門番さん、外、出てもいいですかっ?」
背中で兵士に止められている声を聞きながら、この騒ぎで人がいなくなっていた門へと走り、そのままの勢いで街の外へと走り出した。
何、あれ。何なの、あの人っ!なんで私のこと、番なんて……っ!
頭が混乱して思考が纏まらない中、とりあえずセフィーの元へ、家へ帰らなきゃ、という想いで道を離れ、草むらの中へと飛び込む。
追って来る気配はなかったが急がなきゃ!という気持ちに急き立てられるまま走り、草原の中にぽつんと生えていた木の陰へ隠れると、周囲に人の気配がないことを確認してすぐに結界を張った。
そして急いで脱いだ服を入れたカバンを背中に掛け、獣姿に変化する。そして少しだけ呼吸を整えると周囲の気配を探ってから結界を消し、そのまま気配を消して草の上を飛ぶように駆けて森を目指した。
ううう。誰かに見られたら、どうしよう。でも、目が赤くないし、問答無用で襲撃されることはないよね。
無我夢中で低空を駆けると、森が見えて来るまでそれ程時間はかからなかった。
森から出て来る人の気配を感じ、大回りして森の中へと駆け込み、そのまま人の痕跡を追うように森の奥へ向かった。
そろそろ周囲に全く人の気配を感じなくなった頃、魔物の気配を感じたので結界を張ってやり過ごすことにした。