もふもふになっちゃった私ののんびり生活
その後はおばあさんに気を付けるんだよ、と言われながら別れ、街中をヴィクトルさんに案内して貰った。
当然その「気を付ける」がヴィクトルさんのことだと気づいたヴィクトルさんが憮然とした顔をしていたが、セフィーとおばあさんという心強い味方ができたことで、私はヴィクトルさんのことを意識せずにそれから楽しく街中を歩けた。
今回街では干し肉と野菜の種などを買った。米についてはヴィクトルさんにも聞いてみたけど、穀物のことはあまり知らないようだった。
……やっぱり肉食だからかな?
まだ行っていない店もたくさんあるので、今後もゆっくりと街を回りながら探そうと思う。
「今回はありがとうございました。次はどうしますか?」
「当然、護衛する!……いや、護衛させて欲しい。行き帰りもそうだが、街でも危険はあるから」
その後も卒なくヴィクトルさんと当たり障りのない会話をしながら森まで歩き、帰り道も今度は魔物に襲撃される前に気づいて対処できたので、どうしようも無かった一度以外は戦闘も無かった。
「では……次は七日後にします。また七日後、ここで。時間は今朝と同じです。無理な時は来なくても大丈夫ですので」
「七日後だな。絶対来るから。……今日はありがとう。話せて、うれしかった」
じゃあ、と夕暮れの中結界へと足を進め、そのまま今回も振り返らずに駆け去った。
ヴィクトルさんは約束通り、私自身のことを一度も聞いては来ず、会話は私の質問に答えてくれていただけだった。なので私の種族がシルヴィーだとも告げていない。
それなのに、あれだけ強いヴィクトルさんが、私の言葉に一喜一憂している様を見て。
『番って、なんだろうな……。魔力の相性なんて……もしかして決めたのは神様なのかな?』
そう思いつつその日はきちんと薄暗い内に家へと帰り着いたのだった。
そして次の日、セフィーの元へと向かうと。
「いいですか、ルリィ。番は下僕です。あなたは、幼獣に番と言って迫って来る相手なんて下僕として認識していればいいんです!」
と、開口一番に言われた。
「……もしかしてセフィー、このネックレスってセフィーと直接繋がっている、の?」
私のことは真名を交わしているから感知できるのは知っていたけど、枝をつけることで会話も全部聞こえてる?
「ええ!昨日はその枝を通してずっと、ずっと見守っていましたよ!なんですか、百以上も年下の小さな幼獣に対して、きれいだの可愛いだとかセリフを言てって。変態に人権なんてありませんからね!」
「え、えええっ!!」
「何でそんなに驚くんです?私に知られてまずいことは無かったですよね?ルリィには」
「ま、まあ、そうだけど……」
ぐらぐらした時は、頭にセフィーの怖い笑顔が浮かんだからね!しっかりと何度も釘を刺されたことが、半分トラウマだからねっ!!
「うふふふふ……。今回は、ルリィに手をふれなかったから、まあ、次の約束も許しましょう。でも、次、指一本でも触れたら……どうしてくれましょうかね?」
真っ黒セフィーの降臨に、私はただ尻尾を丸めてブルブル震えていることしかできなかったのだった。
当然その「気を付ける」がヴィクトルさんのことだと気づいたヴィクトルさんが憮然とした顔をしていたが、セフィーとおばあさんという心強い味方ができたことで、私はヴィクトルさんのことを意識せずにそれから楽しく街中を歩けた。
今回街では干し肉と野菜の種などを買った。米についてはヴィクトルさんにも聞いてみたけど、穀物のことはあまり知らないようだった。
……やっぱり肉食だからかな?
まだ行っていない店もたくさんあるので、今後もゆっくりと街を回りながら探そうと思う。
「今回はありがとうございました。次はどうしますか?」
「当然、護衛する!……いや、護衛させて欲しい。行き帰りもそうだが、街でも危険はあるから」
その後も卒なくヴィクトルさんと当たり障りのない会話をしながら森まで歩き、帰り道も今度は魔物に襲撃される前に気づいて対処できたので、どうしようも無かった一度以外は戦闘も無かった。
「では……次は七日後にします。また七日後、ここで。時間は今朝と同じです。無理な時は来なくても大丈夫ですので」
「七日後だな。絶対来るから。……今日はありがとう。話せて、うれしかった」
じゃあ、と夕暮れの中結界へと足を進め、そのまま今回も振り返らずに駆け去った。
ヴィクトルさんは約束通り、私自身のことを一度も聞いては来ず、会話は私の質問に答えてくれていただけだった。なので私の種族がシルヴィーだとも告げていない。
それなのに、あれだけ強いヴィクトルさんが、私の言葉に一喜一憂している様を見て。
『番って、なんだろうな……。魔力の相性なんて……もしかして決めたのは神様なのかな?』
そう思いつつその日はきちんと薄暗い内に家へと帰り着いたのだった。
そして次の日、セフィーの元へと向かうと。
「いいですか、ルリィ。番は下僕です。あなたは、幼獣に番と言って迫って来る相手なんて下僕として認識していればいいんです!」
と、開口一番に言われた。
「……もしかしてセフィー、このネックレスってセフィーと直接繋がっている、の?」
私のことは真名を交わしているから感知できるのは知っていたけど、枝をつけることで会話も全部聞こえてる?
「ええ!昨日はその枝を通してずっと、ずっと見守っていましたよ!なんですか、百以上も年下の小さな幼獣に対して、きれいだの可愛いだとかセリフを言てって。変態に人権なんてありませんからね!」
「え、えええっ!!」
「何でそんなに驚くんです?私に知られてまずいことは無かったですよね?ルリィには」
「ま、まあ、そうだけど……」
ぐらぐらした時は、頭にセフィーの怖い笑顔が浮かんだからね!しっかりと何度も釘を刺されたことが、半分トラウマだからねっ!!
「うふふふふ……。今回は、ルリィに手をふれなかったから、まあ、次の約束も許しましょう。でも、次、指一本でも触れたら……どうしてくれましょうかね?」
真っ黒セフィーの降臨に、私はただ尻尾を丸めてブルブル震えていることしかできなかったのだった。