もふもふになっちゃった私ののんびり生活
「ルリィちゃんは緑にしたんだね。私は黄色にしたの!」
「うん。私は風魔法が得意だし、草木の緑だしね。アイリちゃんは黄色、似合っているよ。かわいい」
「ありがとう!」

 教会から少し離れた場所でお互いに見せあい、うふふ、と笑い合っていると、後ろから名前を呼ばれた。

「アイリちゃん、ルリィちゃん!二人もお守りを買いに来たんだね!」
「カミラちゃん!カミラちゃんも来てたんだ!」
「こんにちわ、カミラちゃん!」

 ちょうどお守りを買い終わったのか、人混みから抜けて出て来たのはもう一人の友達のカミラちゃんだった。
 カミラちゃんは二つ隣の通りにある鍛冶屋さんの娘で、私達と同じ年の子だ。元々アイリちゃんと仲が良くて紹介して貰ったのだ。

 カミラちゃんのお父さんには包丁を依頼して作って貰った。日本の包丁のようには切れないけど、形は何度も説明したので今では安心して料理を作れるようになった。その包丁も店に置いたら、ぼちぼち売れているらしい。

 カミラちゃんは鍛冶屋だからか両親がドワーフ系で、やっぱり小柄で身長が同じくらいの赤毛の女の子だ。
 あと仲良くしている友達は雑貨屋の娘のスージーちゃん、アイリちゃんの宿屋に卸に来る隣村の農家の娘のネネちゃんがいる。皆明るくて優しい気立ての良い子ばかりだ。

「カミラちゃんは赤にしたんだね!」
「うん。鍛冶屋の娘だから火は大事だもの。ねえ、これから戻るの?一緒に行ってもいい?」
「勿論!ただ、いつものようにヴィクトルさんが一緒なんだけどいいかな?」
「うふふ。もう慣れているから気にしないわよ」

 あはは、と今度は三人で笑い合った。
 それだけでなんだか楽しい気持ちになって来る。街に来ても、同世代の仲のいい友達なんて出来るとは思ってもいなかったから、最近では街へ来るのも楽しみで仕方がないのだ。
 前世を含めると私だけかなり年上の筈なのに、それも全く気にならない。

 皆それぞれ小さい頃から家の手伝いをしているから大人なんだよね。……いや、私が子供っぽいだけって?か、身体に精神が引きずられているだけだから!……そうだよね?

「あっ、そうだ。お守り、皆で結びっこしない?」
「そうだね、結ぼう!ルリィちゃん、このお守りは手首とか腕に結ぶんだけど、腕の方がいいよね?」
「うん!」

 カミラちゃんの提案で、買って来たお守りをそれぞれの腕に結んで皆で見せあった。

 収穫祭用のおまもりは少し太めのリボンのような布で、様々な自然を現した色で染められていた。そのお守りの布を腕や手首に収穫祭までの間祈りを込めて巻いておき、当日に教会で供えるのだそうだ。
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