もふもふになっちゃった私ののんびり生活
「カミラちゃん!こっちこっちー!」
「あっ、アイリちゃんにルリィちゃん。それにネネちゃんも一緒に回れるんだね!」
「野菜を届けに来たから、少しだけ時間貰ったんだ。でも、お昼食べたらすぐに帰らなきゃなの」
今日は待ちに待った収穫祭の日だ。
アイリちゃん達と午前中に待ち合わせ、お昼を早めに食べたらそれぞれ家の手伝いがあるから解散となる。
農家は夜明け前から収穫をし、朝市で売る為に日の出とともに開く門を通って街へと野菜を運んで来るのだ。
当然子供も手伝いを物心ついた頃から始めるから、ネネちゃんとはいつも朝市の店番の時に話をしていた。
「スージーちゃんはやっぱりお客さんが多いから抜けられないって。お店に顔を出してって言ってたよ」
「じゃあ、大広場の屋台をまわったらスージーちゃんのお店に寄ろう!」
まだ収穫祭は始まったばかりだが、もう大通りは人で溢れかえっている。
さすがに今日は、ヴィクトルさんも私達のすぐ後ろで周囲を警戒していた。
まあ、ヴィクトルさんの雰囲気だと保護者って感じじゃないから一見すると怪しい人だけどね。一番小柄の私が人混みに流されそうになると、ヴィクトルさんが腕を掴んで引き留めてくれるから助かっているんだけど。……さ、寂しくなんてないもん!
人波に流されながら大広場の屋台を冷かし、普段見かけないお菓子を皆で分け合って食べるとやっと教会へと到着した。
「ええと、このお守りを供えればいいんだよね?」
「そうだよ。入るとホールに大きな祭壇があるから、そこにお守りを置いて、お祈りを捧げるの。本当は夕方から奉納されたお守りを燃やして天に還す儀式もあるんだけど、宿の手伝いがあるから一度も見たことないんだよね」
話している間も列は進み、とうとう教会の中へと入る。するとアイリちゃんの言った通りに広いホールの中央に大きな祭壇が設えてあり、そこに色とりどりのお守りの布が供えられていた。
腕に結んでいたお守りをほどいて供えようとすると、結び目が固くてなかなかほどけないでいると。
「ホラ、ほどけたぞ」
「あ、ありがとうございます」
すっと上から手が伸びて、苦戦していた結び目をあっという間に解いて渡してくれた。
ちょっと複雑な気持ちでヴィクトルさんが供えた赤色のお守りの隣に自分の緑色のお守りを供えて祈る。
皆はどんなこと祈るんだろう。自然を祀っているなら、もっと風を上手く使えるようになりますように、って祈ればいいのかな?それとも一番苦手な火をもっと上手く調節出来るようになりますように?
そういえばヴィクトルさんは火の魔法が得意な種族だから赤いお守りだって言ってたな。魔獣で火が得意なのは珍しいよね。
そんなことを考えていたからか時間がかかり、皆の注がれる視線に気づいて目を開けた。
しかもその視線が、なんとなく私と後ろのヴィクトルさんをニヨニヨと見ている気がして、じとっとした目でアイリちゃん達のことを見かえすと。
「なにかな?」
「いや、ごめんごめん。何でもない……ゴホゴホッ」
「アイリちゃん?大丈夫?」
「うーん。なんか一気に冷えてきたからか、最近咳が出るんだよね。今晩はあったかくして寝るから大丈夫だよ」
さあ、行こう!後ろが詰まっているよ!
そう促されて人の流れにのって教会の外へ出ると、また大通りの屋台を覗きながら引き返したが、気づけばあちこちで咳をしている姿を見かけて、楽しく話しながらも気になってしまった。
「あっ、アイリちゃんにルリィちゃん。それにネネちゃんも一緒に回れるんだね!」
「野菜を届けに来たから、少しだけ時間貰ったんだ。でも、お昼食べたらすぐに帰らなきゃなの」
今日は待ちに待った収穫祭の日だ。
アイリちゃん達と午前中に待ち合わせ、お昼を早めに食べたらそれぞれ家の手伝いがあるから解散となる。
農家は夜明け前から収穫をし、朝市で売る為に日の出とともに開く門を通って街へと野菜を運んで来るのだ。
当然子供も手伝いを物心ついた頃から始めるから、ネネちゃんとはいつも朝市の店番の時に話をしていた。
「スージーちゃんはやっぱりお客さんが多いから抜けられないって。お店に顔を出してって言ってたよ」
「じゃあ、大広場の屋台をまわったらスージーちゃんのお店に寄ろう!」
まだ収穫祭は始まったばかりだが、もう大通りは人で溢れかえっている。
さすがに今日は、ヴィクトルさんも私達のすぐ後ろで周囲を警戒していた。
まあ、ヴィクトルさんの雰囲気だと保護者って感じじゃないから一見すると怪しい人だけどね。一番小柄の私が人混みに流されそうになると、ヴィクトルさんが腕を掴んで引き留めてくれるから助かっているんだけど。……さ、寂しくなんてないもん!
人波に流されながら大広場の屋台を冷かし、普段見かけないお菓子を皆で分け合って食べるとやっと教会へと到着した。
「ええと、このお守りを供えればいいんだよね?」
「そうだよ。入るとホールに大きな祭壇があるから、そこにお守りを置いて、お祈りを捧げるの。本当は夕方から奉納されたお守りを燃やして天に還す儀式もあるんだけど、宿の手伝いがあるから一度も見たことないんだよね」
話している間も列は進み、とうとう教会の中へと入る。するとアイリちゃんの言った通りに広いホールの中央に大きな祭壇が設えてあり、そこに色とりどりのお守りの布が供えられていた。
腕に結んでいたお守りをほどいて供えようとすると、結び目が固くてなかなかほどけないでいると。
「ホラ、ほどけたぞ」
「あ、ありがとうございます」
すっと上から手が伸びて、苦戦していた結び目をあっという間に解いて渡してくれた。
ちょっと複雑な気持ちでヴィクトルさんが供えた赤色のお守りの隣に自分の緑色のお守りを供えて祈る。
皆はどんなこと祈るんだろう。自然を祀っているなら、もっと風を上手く使えるようになりますように、って祈ればいいのかな?それとも一番苦手な火をもっと上手く調節出来るようになりますように?
そういえばヴィクトルさんは火の魔法が得意な種族だから赤いお守りだって言ってたな。魔獣で火が得意なのは珍しいよね。
そんなことを考えていたからか時間がかかり、皆の注がれる視線に気づいて目を開けた。
しかもその視線が、なんとなく私と後ろのヴィクトルさんをニヨニヨと見ている気がして、じとっとした目でアイリちゃん達のことを見かえすと。
「なにかな?」
「いや、ごめんごめん。何でもない……ゴホゴホッ」
「アイリちゃん?大丈夫?」
「うーん。なんか一気に冷えてきたからか、最近咳が出るんだよね。今晩はあったかくして寝るから大丈夫だよ」
さあ、行こう!後ろが詰まっているよ!
そう促されて人の流れにのって教会の外へ出ると、また大通りの屋台を覗きながら引き返したが、気づけばあちこちで咳をしている姿を見かけて、楽しく話しながらも気になってしまった。