やさしいキスをして
「おはよう、華!」


マックの前に座り
  メールをチェックしていた
    わたしの背中に
   ぴったりとくっついてくる女は、
  2つ年下で営業の豊島絵里35歳、
    独身貴族真っ只中。


「おはよ!今日も元気だね。エリは」

「華が暗いだけじゃん!」

「まあ、あの旦那じゃ無理もないけどさ、華も普通にすれば美人なんだからさ、もうちょっと化粧とかも頑張ったら?なんか疲れたおばさんって感じ」


言うに事欠いて『疲れたおばさん!』って。


わたしが勤めてるのは
   『CAOS』という
  わたしと同年代の独身女性向けの月刊誌や
   他にも3つ位の雑誌を出版する
『集光舎』という首都圏の出版社の中では
   どちらかといえば小さな出版社。


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