やさしいキスをして
どちらかというと
    わたしはどうでも良かった。
  それなのに…
 旦那の方からのアタックが凄くて
  わたしが根負けしたというのが事実。


  「今度いつお会いできますか?」
  「明日、映画でもどうですか?」
  「華さんって家庭的なんですね?」
  「今度、うちに来ませんか?
   両親に会ってもらいたいんです」


毎日、毎日電話がかかってくる。
    その熱心さに
   いつの頃からか
  心を許すように変わっていった。


   女なんていい加減なもの。
  あまりの押しの強さに負けて…
    いつしか『好きかも?』なんて
  錯覚(さっかく)まで引き起こしてしまっていた。

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