【完】イミテーション・シンデレラ

「それにこの体すっごく好き」

「体ぁ?!」

「俺胸おっきい女ってあんまり好きじゃなかったんだけど、岬の胸大好き」

さてはあんたマザコンね。 つーか…やっぱりこいつ…私の体にハマりやがったな?
自分のタイプじゃない女をつまみ食いして、それが結構良かったから、私は呼ばれたんだ。

と、いう事は私は昴の新しいセフレ…って訳か。 だってそうでしょう。好きだとも付き合って欲しいとも言われていない。

バスルームや洗面所に女の影を隠そうともしなかった。 さっきまで胸がきゅんきゅんと音を立てていたのに、今度はズキズキと鈍い痛みがする。

男の人は、好きでもない女を抱ける生き物。そんな事は知っていた。
それでもぎゅっと私の体を引き寄せ、胸の中に押し込める昴の腕を振り払えない。

「俺達って、体の相性すごくいいね」

にっこにこしながらそんな事を言える、無神経なこの男の腕を払えないなんてどうかしている。

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