【完】イミテーション・シンデレラ
「べ、別に昴には関係ないじゃん!」
「関係、あるよ」
「そんな事どうでもいいじゃない。私メイクさん呼んでくる!」
いたたまれない気持ちになって楽屋を出て行こうとしたら、昴が後ろからふわりと抱きしめる。
大きい昴の体に、私はすっぽりと包まれてしまう。
触られた所、全部敏感になっていって、頭がくらくらする。
そして耳元で昴は言った。
「今日仕事が終わったらうちに来て」と。 それだけ言い残して、楽屋を出て行った。
まるで私が昴の言葉に抗えない事を知っているみたいに。
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『大滝さんってやっぱりかっこいいし、優しい。
岬さんには報告が遅れたんですが、実は1月スタートのドラマで共演する事になったんです。
仕事だから浮かれてちゃいけないって分かってるけど、浮かれてしまいます( *´艸`)
気を引き締めなくっちゃ(..)
岬さん今度いつ暇ですか?お仕事とか恋の相談をしたいので、今度一緒に食事にでも行きましょう』
そのメッセージを受信した頃、私は昴の家で昴に抱かれていた。