【完】イミテーション・シンデレラ

この世界は、辛い事ばかりだ。

言ってしまえば、9割は辛い事だらけかもしれない。 楽しい事なんて一握りしかないのかもしれない。

芸能界に入らなければこんなに辛い想いをしなかったのに、傷つく事もなかったのにと思う事は一度や二度ではなかった。

けれど私に会って泣いてくれる人や、ずっと応援をしてくれるって言ってくれる人がいる。元気を貰ったと。それは小さい頃私がテレビの前のアイドルに勇気をもらっていたのと同じだ。

私のしている仕事は、人に感動を与える事だ。 そして自分のファンは何よりも誇らしい。


もしかしたら本当の意味でアイドルの苦悩はアイドルにしか分からないのかもしれない。
そして俳優の苦悩も、彼らにしか分からないのかもしれない。

そう思えば、私も昴も、互いに悩みは言い合っていたけれど、本質は分かり合えていなかったのかもしれない。
思えば、辛い。

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「俺もその気持ち分かるなあ…」

久しぶりに業界人の飲み会に参加した。

芸能人だけではなく、番組を作るプロデューサーや広告代理店さん。 集まった先は六本木の会員制バーだった。やけに業界人らしい。

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