【完】イミテーション・シンデレラ
「アンチがいてさ…比べられる世界だから落ち込んだりもしちゃうんだけど。
私ってば結構ネガティブな所あって、悪い事より応援してくれてる人の声の方が多いの分かってるのに
ついつい悪い事ばかり目についちゃうんだよね、それで勝手に落ち込んじゃうの…」
「あー…それは俺も分かるかも!人間って悪い言葉の方が心に残りやすいんだって。
でもそれじゃあ勿体ないよね。応援してくれてる人たちにも失礼だと思うし」
「分かっちゃいるんだけどねー…。
でも類くんは私達よりずっと大変じゃない?
類くんの事務所のアイドルのファンは熱狂的な人が多いから」
「迷惑行為するファンとかには正直カチンときちゃったりするよ。
でもその何倍も真剣に俺らを応援してくれるファンもいるってちゃんと知ってるから
だからこそ、頑張れるものなのかもな。」
ただ顔のかっこいいだけの男だと思っていた。 けれどもきちんとファンの事も考えて、本気でアイドルをしている。
「それに俺、絶対LUNAでアイドルのトップになるって決めてるから!」
大きな瞳を上に向けてそう言った類くんは、輝いていた。 アイドルのキラキラオーラは生まれながらに備わっているものなのかもしれない、と思えて仕方がない人だ。