【完】イミテーション・シンデレラ

「すごいね、類くんは。前向き。
私はアイドル時代そうは思えなかったの…」

「えぇ!あんなにキラキラしてた岬ちゃんが…?!」

「うん。私ってアイドルとしては才能はなかった方だと思う。
すっごくすっごく努力して、何とかセンター張ってたけれど相応しい人は沢山いたよ。
努力で補える物って、やっぱり限界があるんだよね。
だから今のセンターの梨々花はすっごい子だと思う。グループをもっと大きくしてくれると思う!」

「俺は、岬ちゃんのファンだったからなー。1番岬ちゃんが輝いて見えたよ。
背は小さいのにいっつも一生懸命踊ってて、誰よりも目立ってた。」

「類くんは嬉しい事言ってくれるね…」

私の肩にしだれかかるように、ちょっぴり酔っぱらった有菜がやって来た。

「類くん、ずーっと岬のファンだったもんね。
だってさー卒業した後レギュラー番組一緒でさ、いっつも岬の話してんの!」

「ちょっと有菜ちゃん、ばらさないでよ。
恥ずかしいじゃん」

< 160 / 265 >

この作品をシェア

pagetop