【完】イミテーション・シンデレラ
「アイドル同士のスキャンダルも、大変だわあー…」
だって彼女は私の方も見ずに、手鏡で自分の顔の確認をしながら言ったのだから。
「え、無視?」
そこまで言われて気が付いた。
小さな顔に、日本人離れしたくっきりとした顔立ち。
確か、元アイドルの母親はハーフだったはず。 なので西園寺愛歌はクォーターにあたる。
そう言われれば、日本人離れした顔立ちにもスタイルにも納得であるが、近寄りがたい雰囲気の彼女は目線だけこちらに向けてふわりと笑う。
笑うとちょっぴり幼くなって、その微笑みはまるで天使のように美しい。 女にも男にも人気があるの分かる。
女性にとっては憧れだし、男性にとってはたまらない美しさだろう。
「で、どこまで本当なのー?
類くん、かっこいいもんねぇ。プロ意識は高い方だと思ってたから、まさかこんな大きな仕事の前にスキャンダルを起こすとは思わなかったけれどねぇ」