【完】イミテーション・シンデレラ
Act 8 スポットライトより眩しい恋。 願うだけじゃ叶わない!
Act 8 スポットライトより眩しい恋。 願うだけじゃ叶わない!
「ねぇ!昴知らない?!」
ステージ上にお客さんは続々と入場していた。
ステージ脇でスタンバイしていた真央は、真っ白のタキシードに身を包み青い顔をして椅子に座っている。何やらブツブツ独り言を言いながら。
その横で真央のマネージャーの坂上さんが大汗をかいて、はらはらとした表情を浮かべる。
「あ、岬ちゃん…ま、真央くんは今ナーバスになってるからね…」
真央の胸倉を掴むと、坂上さんは大慌てで止めに入る。
「何すんだよッ!き、緊張してんだぞ?!」
知るかよ!どこまで豆腐メンタルなんだ!こちらをぎろりと睨みつける挑発的な態度、それとは裏腹に指先がぷるぷると震えている。
「み、岬ちゃんってば…!お、落ち着いて!」
「昴はどこよッ」
「昴なんて知るか!お前随分余裕だなッ。
大体メールや着信の返事も返さないで! つーか、どうなってんだよ?!静綺も朝から大騒ぎしてたぞ。連日お前と一条類の熱愛報道がテレビで流れてるって!
お前あんなアイドルとマジで付き合ってるのかよ!」
「そんなの今は関係ないでしょう?!昴は――?!」