【完】イミテーション・シンデレラ
Act 9 クリスマスはサプライズ。 こんなに幸せで本当にいいのですか?!
Act 9 クリスマスはサプライズ。 こんなに幸せで本当にいいのですか?!
「ごめんなさい…!」
翌日。
クリスマスイブ。 朝から雑誌の取材が入っていた。
クリスマスまで仕事なのは、不定休の仕事の辛い所。 けれど昴が夜からふたりでクリスマスをしようって言ってくれた。
そして偶然、雑誌の取材が入っていた梨々花とスタジオで鉢合わせした。
彼女には謝らないといけない事が沢山ある。 深く頭を下げると、彼女は不機嫌そうに口を結び、腕を組んでいた。 …絶対怒ってるよね?昴との事協力するとか言っちゃって、そのくせ昨日の打ち上げこっそり抜け出したりして…。
でも言い訳をするつもりはなかった。 全てを正直に話して、心の底から謝ろうと思った。
「私…梨々花に嘘ついてた…。
本当は私も昴の事好きだったの…。
だから協力するって言ったけれど、それは出来ない。 昴の事は譲れない。
本当にごめんなさい。」
嬉しい時も悲しい時も感情表現を豊にするタイプだ。 無言のまま私を見下ろす彼女が、怒っている事は分かっている。