【完】イミテーション・シンデレラ
「本当に…岬さん酷い…」
そう言われても仕方がない。いち早く梨々花には謝りたかった。 謝って許される問題じゃないって分かってるけど。
「私、岬さんの事信じてたのに…
協力してくれるって言ったのに…
すごいショックです。岬さんがそんな人だったなんて…」
「ほんと…ごめん……」
何度も頭を下げる。 だってそうする事しか出来なくって…。
「なんちゃって。 顔を上げてください。」
声のトーンはもう怒ってはいなかった。
ゆっくりと顔を上げると、梨々花はにこりと満面の笑みを作る。 そしてぎゅっと私の両手を取った。
私は今まで梨々花の事を見続けて来た。アイドルとして敵わないと思った才能の全てを。
だから梨々花が本当に嬉しくって笑っているって事は顔を見れば、直ぐに分かる。
「全然言ってくれないから、意地悪も言いたくなるってもんですよー…」
「梨々花…」