【完】イミテーション・シンデレラ
「何もよ。あんたは私にとって3人目の子供のようなもんだからねぇー。
あー…それにしても今日はクリスマスだから忙しいわー
仕事を終わらせて、クリスマスケーキ取りに行って、久しぶりにご馳走作らなくっちゃ」
スケジュールを詰め込んだのは、笹田さんのはからいだ。
昴と付き合う事は正直に言った。 いつも通り反対はしなかった。 こうやって、夜からオフにしてくれて昴と会えるようにしてくれた。
幸せいっぱいのクリスマスになる予感しかしないよ。
とはいえ、私達は有名芸能人。ふたりで歩いていたらスキャンダルになっちゃうから、それは御免だ。
けれど昴と一緒に居れるならば、イルミネーションなんて見えなくていい。 お洒落なレストランでディナーもいらない。
一緒に過ごせることが私にとってはスペシャルで特別な時間になる。
―――――
の、はずだったんだけどー?!
18時過ぎ。昴は車で家まで迎えに来てくれた。 そのまま昴の家まで行くと思ったのだけど
「何なの?!その恰好! そしてどこに行くの?!
昴の家に行くんじゃないの?!」