【完】イミテーション・シンデレラ

今まで我儘のひとつも言わずに頑張って来たのは、何だかんだってアイドルの仕事が好きだったから。 応援してくれるファンもオタクが多いけれど、オタク大好き。

あんなに一途にアイドルの成長を応援してくれる存在って中々いない。 私の卒業を自分の事のように悲しんで涙してくれる、そんな存在っていない。だからすっごく感謝してる。

これからも活躍を見たいって言ってくれる人、沢山いるけれど。

何をしていけば、どんな目標を持っていけばいいの?
それにしても…直近のウェディングドレスショー…憂鬱だ。

―――――


数日後、ハワイから帰国した。

写真集の撮影は滞りなく進められたが、バッチリ日焼け対策したはずがほんのり焼けてしまった。

だから南国って嫌いなのよ。そしてハワイから帰国した3日後、私はグリュッグエンターテイメントの新築された寮に来ている。


ぼろっちかったグリュッグエンターテイメントの寮は、いつの間にかぴっかぴかにリフォームされていた。

現在昴も真央もこの寮には住んでいない。

真央に至っては婚約している静綺と結婚準備中の為、新しいマンションに移り住んでいた。

25歳で結婚なんて早すぎる。 けど今年で26歳だ。昴にしてもそう。 早すぎるって事はないのかもしれない。 特殊な職業だから簡単に結婚は決めれない物だけど。

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