【完】イミテーション・シンデレラ
「マジで仲良いなーお前ら。 静綺は今日は残業するから遅くなるってさ。栄養士ってのも中々大変だよなー。給料少ないのに。
あ、そういえば後で昴も来るって言ってたぞ」
「何で?!」
「知るかよ。静綺に会いたいんじゃねぇの。静綺と連絡取ってるみたいだし。
振られたくせに女々しい男だよな~」
真央は雑誌を持ったままけらけらと楽しそうに笑う。沸々と怒りがわいてくるのは、何故?
あんただって十分に女々しい男じゃないの。 昴と静綺が少し仲良くするだけで大人げなくヤキモチ妬いて
昔、静綺が同級生の男の子数名と内緒で会っていた時なんて、数か月怒りっぱなしだったくせに。
女々しいのは一体どっちよ!
そんな事はどうでもいいけど。
「昴へのお土産持ってきてないのに…。」
ぽつりと嘆くと、真央は意外そうな顔をした。
「何だよ、岬。随分昴と仲良さそうじゃねぇか。 まさか静綺の言う通り本当に付き合ってるとか?
昴なんて止めておけよ。泣かされるだけだぞ。
大体お前は昴の趣味じゃねぇだろ。あいつはタイプは一貫してるからな」