【完】イミテーション・シンデレラ
Act 3 ウェディングショー。 恋の協力なんか出来ない!
Act 3 ウェディングショー。 恋の協力なんか出来ない!
昴へのお土産は結局渡せないままだった。
昴の事を想い選び、昴の為だけに買ってきたものなのに。
あれから、たまに真央や静綺を交えて昴とは会う事もあって、携帯にも連絡がきていたけれどいつも通り。
互いの仕事の忙しさもあり、すれ違ってばかりだった。
アイドルグループを卒業したばかり、仕事は舞い込んでいた。 注目度もある時期だ。今だけなのかな、とは思う。そのうちぱったりと仕事も無くなってしまうのではないだろうか。
落ち目だと言われるのが怖い。早いうちに逃げ切らなくては…!
「岬ちゃーん、こっち向いてー」
「うん!可愛い!」
「マジで天使。今度はにっこりと笑って見て。
最高!」
今日はスタジオで、雑誌の取材と撮影が立て込んでいた。
くるくると衣装を変えられて、同じスタジオ内の雑誌社を渡り歩く。 撮影。合間に取材。 ご飯を食べる時間10分。 忙しいけれど仕事があるだけでありがたい。
忙しい私の為に、ひとつのスタジオが借りられて、一気に撮影をしていく。
頑張らなくちゃいけない。私の為に何人の人間が動いてくれている事か。