【完】イミテーション・シンデレラ
それでも彼女なりに必死なのだ。 自分なりに自己を押さえつつも自由に振舞う。 人は自由な人間に憧れる。不自由であればあるほどに。
持っていない才能に焦がれ、嫉妬しながらも憧れる。 私が梨々花へ持つ感情は、憧れに似ている嫉妬だ。
雑誌社の撮影と取材で時間は深夜0時。てっぺんを回っていた。
へとへとに疲れた私に笹田さんは「お疲れ」と労いの言葉を投げかける。 私が忙しいのと同じ位彼女も疲れているはずなのに、嫌な顔も見せずに。
そして私を車で送り届ける。 その車内の中でも、仕事の話。今度行われるというウェディングショーの資料を見せてくれた。
ウィンター、ウェディングショーコレクション。
有名デザイナーの手掛けた日本初のコレクションは今季最も注目が集まっていた。
出演するモデルも豪華だ。 私は所謂芸能人枠っつー奴だが、その枠さえ今注目の旬のアイドルから俳優が集まっている。果てはSNSで大人気の芸人まで。
「ふぇー…。マジで豪華じゃん。
LUNAのドラムも出演するんだ。男性アイドルでは今注目度ナンバー1だもんね。このグループボーカルが歌めっちゃうまいのよねぇ」
「岬もLUNA好き?かっこいい子達よね~、アイドルの幅を超えてるっていうか
特にドラムの一条類くんはぶっちぎり容姿が良いし、背も高くてモデル向きなのよね」