【完】イミテーション・シンデレラ


「豪華でしょう? 注目されているひとつの理由は、ランウェイを有名人同士が歩くってのもあるんだって」

「え?そうなの?」

ウェディングショーという事は、ウェディングドレスとタキシードだ。
そりゃあ、相手が居た方が見栄えが良いのは間違いない。
私とペアを組む人って、もしかして…。もしかして?!

「笹田さん!私のペアって!」

「それはまだ決まってないと思う。 今度打ち合わせあるから分かるかもね」

「そう…それならばいいんだけど…」

自分らしくもない。ドキドキと胸が波を打つ。

コレクションで疑似花嫁ではあるけれど、人生で初めてのウェディングドレス。
…もしも昴と並んで歩けたら、それって最高。

やっぱり私、昴の事が好きなんだ。 真央だって出演するのに、昴と歩きたいと思ってしまうなんて。

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