子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「2人って付き合ってんすか?」
椅子に腰掛け、ペン回しをしながら問いかけてくる島元くん。
本当に気になっているのか、ただの興味本位なのか……
どちらにしても核心を突いてきた島元くんに、ドキッと胸が嫌な音を立てる。
「えへへっ、実は───」
「……ち、違うから! ね、天馬くん!」
「あぁっ、はい。 嘘ですよ! 綾瀬会長が僕のワガママに付き合ってくれただけですから」
お願い、天馬くん。
これ以上はやめて。
そんな思いで、大きな声を出してしまった。
天馬くんはびっくりしたようだったけれど、わたしに話を合わせてくれた。
チラッと藤ヶ谷くんの方を見ると、特にこっちには興味ないというふうに体育祭実行委員会で使う資料作りに打ち込んでいた。
絶対聞こえてるのに……
胸が痛い。
これが、ただの罪悪感なのか他の特別な何かなのか。
それはまだわたしにはわからなかった。