子犬系男子の甘い溺愛が止まらない

それなのに、天馬くんはわたしの想像の遥か上をいく。



「本当に可愛すぎて困ってるんですよ」



思いが通じなくて拗ねた子どものような表情で、わたしに近づいてくる。


そして、わたしの目の前まで来て、ピタリと止まる。



「ホント……可愛すぎて、めちゃくちゃにしたいくらい」


「……っ！？」



そう言ってフッと笑う天馬くんは、意地悪な目をしていた。



「ばっ……へ、変なこと言わないで、天馬くんっ！」



みるみるうちに自分の顔が赤くなるのがわかるくらい体が熱くなって、今の顔を見られたくなくて、天馬くんに背を向ける。



「天馬くん、口じゃなくて手を動かしてくれる？」



この調子じゃ、全然準備が進まない。


必死に気持ちを入れ替えようと、少し厳しめの言葉で返す。


これで天馬くんも気持ちを入れ替えてくれるだろう。


……そう思ったのに。


わたしの考えはとても甘かったらしい。