子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
────放課後の生徒会室。
今日は特に会議があるわけではないからか、島元先輩はまだ生徒会に来ていない。
生徒会に入ってからこんなことは日常茶飯事だから、もう慣れた。
やるべきことはもう決まっているし、困っていることも無い。
今は、体育祭に向けて特大パネルの制作中。
1人で運ぶには大変な大きさのパネルは、事前に島元先輩と一緒に運んでいたから、わたしだけでも作業はできる。
イラストを描くのは小さい頃から大好きで、趣味を活かせることがとても嬉しい。
生徒会室の少し開いたスペースに新聞紙を広げて、その上にパネルを置き、イラストを描いていく。
ちょうど昨日描き終えたところで、今日は色塗りをしていこうと絵の具を用意していた。
「よしっ……」
制服が汚れてしまわないようにジャージに着替えて、腕まくりをして気合を入れる。
イラストを描く中で一番好きな作業が、この色塗り。
色が入ることで、イラストに命が吹き込まれていくようで、その瞬間が好きなんだ。