子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



絵の具と大きめの筆を渡すと、天馬くんは喜んでパネルに色を塗り始めた。



「すごい助かる」


「ん? 困ってる人がいたら助けるのは普通でしょ?」



天馬くんは、当たり前なのかもしれないけれどなかなかできないようなことをさらりと口にする。


そんなところに、みんなが惹かれるんだと思う。


外見がイケメンだからだけじゃなくて、本当に内面もすごく素敵だから。


実際に天馬くんに助けてもらったのは、今日だけじゃない。


前にも、日直でクラス全員分のノートを集めて職員室まで届けなきゃいけない時は、重いからと半分持ってくれた。


たまたま職員室に用事があったらしいんだけど、それでも小さな優しさに胸が温かくなった。




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