子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



***



「綾瀬会長ーっ! ファイトーっ!」



本部席からかなり大きな声で応援している天馬くん。


体育祭当日、生徒会メンバーは基本的に本部席待機になっていて、出番以外はずっと本部にいる。


ちょうど今は、2年生によるリレーの真っ最中。


3年生も次の出番に向けて待機している。


だから、本部席にはわたしと天馬くんの2人きり。


意識したくなくてもしてしまうから、今は2人になりたくないんだけど……


こればかりは仕方がない。



「綾瀬会長はまだ出番じゃないよ?」


「わかってるよー! でも、今の方が近くにいるから応援聞こえるかなって」



確かにリレーではトラックの中央まで行ってしまうから、待機場所にいる今の方が距離が近い。


天馬くんの理由に納得してしまった。




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