子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



「本当に天馬くんは綾瀬会長のことが好きだね」



ポロリと心の声が漏れる。


今日も天馬くんの目には、綾瀬会長しか映っていないから。



「もちろん、一目惚れなんだから!」



この前もこんなやり取りしたなって……


自分の気持ちに気づいてしまった時のことは、昨日のことのようにはっきり思い出せる。



「そう言う滝ちゃんは今好きな人とかいないの?」


「わ、わたしっ!?」


「うん、滝ちゃん」



名前を呼ばれて……と言っても名字だけど、びっくりする。


しかも、ちょうどそのことについて考えていたところだったから。


ブーメランで返ってくるなんて思わないじゃん。



「いないよ……わたしの恋は叶わないから」



そう、叶わないから。


この気持ちは忘れるしかないんだって。


あの日からずっとモヤモヤしてる。




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