子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「もしかしたら、綾瀬会長は副会長を好きになってるかもしれない。それでも僕は諦めたくない」
そう言う天馬くんの目はとても真っ直ぐに綾瀬会長を捉えていた。
「もし結果がダメでも、できる限りのことをしてから諦める方がいい。そう思わない?」
あまりにも笑顔でそう言うから……
わたしは何も言えない。
本当に天馬くんは綾瀬会長のことが好きなんだと実感する。
でも、天馬くんがそう言うのならわたしももう少し天馬くんのことを想っていてもいいかな?
無理に忘れなくてもいいのかな?
今はまだこの気持ちを打ち明ける勇気は出ないけど……
いつかその時がきたら、ちゃんと伝えたい。
その結果がダメだったとしても。
きっと後悔はしないから。
でも今は、天馬くんも綾瀬会長のことも好きだから2人のことを応援するよ。
自分の気持ちに嘘をつくことになるのかもしれない。
それでも、応援したいんだ。
ライバルには、今のわたしじゃ敵わない。
それくらい天馬くんが好きになった綾瀬会長は、素敵な人だから。