子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
天馬くんは甘えたがり
「……そんなことがあってね、」
今日もいつも通り、妹の結衣と弟の悠太を見送ってから学校へ来た。
高校3年生になって教室も変わり、一つ下の階へと移動した。
「初花ったら、相変わらずモテモテで羨ましいわぁ」
そんな教室で昨日の出来事を相談している相手は、高校に入学してすぐ仲良くなった親友の
東 仁奈。
クラス替えでも運良く同じクラスになることができて、常に一緒に居てくれる心強い存在。
「そんなことないって! たまたまだよ…」
「たまたまって、もう何度も告白されてるじゃん?しかも誰とも付き合わずに全部断って……そのモテっぷり、わたしにも分けて欲しいくらいよ」
「そんなこと言われても……好きでもない人と付き合うのは嫌だよ」
「初花の気持ちもわからなくはないけど、せっかく美人なのにもったいないよ、もう」
はぁと大きなため息をつく、仁奈ちゃん。
頭の高い位置で結ばれたお団子ヘアは、明るい性格の仁奈ちゃんにすごく似合っている。
誰とでも打ち解けられる長所も持っていて、わたしからしたら、仁奈ちゃんに彼氏がいないことの方が不思議に思ってしまう。